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売上高伸び率(成長率)




売上高伸び率(成長率)


はじめに

売上高伸び率(成長率)とは文字通り企業の売り上げの伸びを見る指標です。どの程度企業が成長しているのかを判断する一つの目安となります。今回は売上高伸び率の意味と計算式、それから売上高伸び率の見方や使い方について解説していきます。さらに企業の成長期や成熟期で売上高伸び率が異なる点や、見る際の注意点などについても取り上げます。企業の成長度を見る指標






売上高伸び率(成長率)とは

売上高伸び率(成長率)の意味

売上高伸び率は会社の成長力を見るための指標となります。売上高伸び率では単年度の伸びだけでなく、5年や10年といった期間で伸び率がどのように推移するかを見ることも大切です。


売上高伸び率(成長率)の計算式

売上高伸び率は当期の売上高から前期の売上高を引き、それを前期の売上高で割って求めます。前期からどの程度売上高が増減したのかがわかります。

売上高伸び率(成長率)の計算式



売上高伸び率(成長率)の使い方

業界平均との比較

売上高伸び率は業界平均との比較が有効です。なぜなら同じ業界であれば業界に共通する事情を同様に受けるからです。例えば不況業界であれば、どの会社もその影響を受けます。


売上高伸び率(成長率)の業界平均

それでは売上高伸び率(成長率)の各業界の平均を見ていくことにします。数値は2016年度のものです。全産業では売上高伸び率(成長率)は1.7%で、非製造業は2.6%とプラス成長ですが、製造業は-0.6%です。

電気業や電気機械、建設業などの売上高伸び率(成長率)は高いですが、鉄鋼や化学、運輸業などはマイナス成長となっています。

売上高伸び率(成長率)の業界平均


実際に業界平均と比較してみる

それでは実際に建設業界を例に業界平均と各企業の売上高伸び率(成長率)を比較して分析してみることにします。不動産業界の2016年度(2016年4月〜2017年3月)までの売上高伸び率(成長率)の平均は5.1%と他の業界と比較しても高い数値となっています。これは震災からの復興需要や東京オリンピックに向けての建設需要の増加などが大きな要因となっているようです。

企業ごとに見てみると上位の鹿島建設は売上高伸び率(成長率)は4.5%増、大林組は5.3%増とともに業界平均と同様高い数値となっています。一方で清水建設は-5.9%とマイナス成長になっています。これは一部案件の工事の進捗状況の遅れなどの要因が影響したようです。


鹿島建設大林組清水建設
売上高伸び率4.5%5.3%-5.9%



売上高の増減の原因を分析

また売上高伸び率を見て、その増減の理由は何で有るかを分析することも大切です。売上が増加している場合は新製品が好調であったり、取引先が拡大中であったりなど様々な理由が考えられます。また売上の伸びが鈍化したり減少に転じてしまった場合は、原因が一過性のものなのか、構造的なものなのかといった背景を分析し、問題点を洗い出して解決策を講じることが必要となります。



成熟期には成長率は落ちる

会社にも人間の成長と同じようにライフスタイルがあり、成長期には売上高、利益が大きく伸びます。成熟期になると売上高や利益の伸びは穏やかになっていきます。 ある程度規模が大きくなるとそこからさらに売上高、利益を大きく伸ばすことは容易ではなくなってきます。成熟期では分母である売上規模が大きくなる一方で、分子である毎年の売上高の伸びは落ち着いてくるので、結果売上高伸び率は低下していきます。




成長企業での注意点

成長期の企業は安全性が低下しがち

成長力のある企業は売上高伸び率も業界平均よりも高くなりますが、一方で成長期には先行投資負担が大きくなることがよくあるため、借入金が増加して自己資本比率や固定比率の悪化を招くことから、安全性に問題のある企業もよく見られます。


自己資本比率、固定比率とは?

自己資本比率とは総資本と自己資本との比率で、借入金などの他人資本が増えてくるとその数値は悪化します。詳しくは自己資本比率(株主資本比率)とはで解説しています。固定比率は固定資産と自己資本との比率で、設備などの固定資産が増えてくるとその数値は悪化します。詳しくは固定比率と固定長期適合率で解説しています。どちらも企業の安全性を見る指標です。



会計方針の変更にも注意

売上高の増減は会計の収益認識の基準の変更にも影響を受けることがあります。例えば建設会社で売上の計上を工事完成基準から工事進行基準に変更するとします。工事完成基準では工事が完成し、施主に引き渡した時点で完成工事高として認識されますが、工事進行基準では工事の進行状況に応じて、進行部分を工事完成高として認識します。工事完成基準から工事進行基準へと基準を変更した期では進行部分も完成高として計上されるため、売上が増加して伸び率が高くなります。そうした点も考慮して伸び率を見る必要が有ります。

突然売上高が伸びた期には、会計処理基準に変更がないかも確認しておきたいところです。会計処理の方針については、財務諸表の注記の会計方針のところに記載されています。




まとめ

売上高伸び率は企業の成長性を見る指標の一つです。1年でどれだけ売り上げが伸びたのかをパーセンテージで測ります。使う際は過去の実績や同業他社、業界平均との比較で使うといいでしょう。

売上高伸び率は成長期の企業ほど高く、成熟期になると落ち着いてくる傾向にあります。成長期の企業は成長度は高いものの、先行投資により借入金などの負担も大きくなり、安全性に問題を抱えている可能性もあります。こうした点も併せてチェックするといいです。




※参考資料
経営分析の基本
決算書 読解力の基本が身につく88の極意
経営分析入門―ビジネス・ゼミナール
これならできる!経営分析
財務省・法人企業統計調査


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最終更新日 2018/11/24
公開日 2014/02/20




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