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自己資本当期利益率(ROE)



はじめに


ROE = 当期純利益 × 100
株主資本
・株主資本利用効率を表す指標
・株主資本比率も合わせてチェック
ROE (Return On Equity)とは、株主が投下した資本をいかに効率的に投資、運用して利益を生み出したかを見る指標です。 そもそも株式会社の株主への大きな責務と言うのは、 株主へ配当や株価上昇などの形でしっかりと収益をもたらすことです。 そのためには効率的に投下資本を運用していくことが必要となります。 ROEとはいいかえれば会社が株主への責任を十分に果たしているのかどうかを判断する目安でもあるのです。



経営に使う資金(総資本)


まず会社の経営のために使われる総資本には株主から調達した株主資本(自己資本)と借入金などの他人資本があります。さらに株主資本は株主が出資した分である資本金と、これまでの利益を積み立ててきた剰余金(利益剰余金)の2種類に分類されます。





資本金株主が提供した資金
剰余金これまでの利益の中から社内に蓄えてきたもの



負債借入金など




当期純利益が使われる理由


株主資本の資金の出し手である株主の大きな関心時は配当の支払いと株価の上昇です。この配当の原資となるのが当期純利益です。このことからROEでは当期純利益が用いられます。株主が提供した資金(株主資本)に対して、見返りである配当の原資となる当期純利益をどれだけ生み出しているかをみる指標として利用されます。



自己資本当期利益率(ROE)が注目されてきた背景


以前は多くの日本企業が資金調達に銀行からの借入を利用していました。しかしながらバブル崩壊により銀行が貸し渋りを始めると、企業はその代わりとして新株や社債の発行など直接一般の投資家から資金を調達する方法に目を向け始めたわけです。ところが日本企業の多くは家族的な経営から、非効率な事業を抱えていて、こうした企業は投資家からの評価もあまりよくはありませんでした。投資家からの信用が下がると株価も下がり、結果新株を発行しても十分な資金を調達できなくなってしまいます。

そこで企業は株主の利益を重視しているということをアピールするために自己資本当期利益率(ROE)を経営目標に掲げ、株主重視の姿勢を打ち出してきたわけです。ROEが重視されてきたのはこのような背景があります。



ROEだけでの投資判断は危険!


ROEは確かに株主資本の収益性を計る指標としては有効ですが、 これは株主資本比率によって変化すると言うことを頭に入れておかなければいけません。 株主資本比率とは総資本に占める株主資本の割合です。 株主資本比率が高いほどその企業の安全性は高く倒産リスクも低いといえます。

株主資本比率を小さくすると企業の安全性は低くなりますが、分母である株主資本が小さくなることでROEは高くなります。

したがってROEで株主資本が有効活用されているかどうかを判断するときは、同時に株主資本比率による企業の安定性も見る必要があります。高いROEが企業の安全性を犠牲にしたうえで実現したものではないかどうかの確認も重要だということです。

ROEと株主資本比率
税引利益総資本株主資本ROE株主資本比率
A社4010008005%80%
B社40100020020%20%



自社株買いでROEが改善


ROE(自己資本当期利益率)を向上させるには分子である当期純利益を増やすために経営資源である人、もの、金を積極的に利益を生む分野へと投入することが大前提となります。しかしながらROEは自社株買いによってもその数値を向上させることが出来ます。自社株買いにより市場から自社株を購入すると、購入分は現在の株主資本額から差し引かれます。例えば株主資本の額が100だったとして、そのうち10を自社株買いによって取得すると株主資本の額は90へと減少します。分母である株主資本の額が減少し、一方分子である当期純利益の額は変わらないので、結果ROEは上昇することになります。

このように企業ではROE改善策の一つとして自社株買いが行われることがあります。自社株買いの効果については自社株買いのROE改善と株主還元効果でも詳しく解説しています。




※参考資料
投資家のための企業分析入門
経営分析の考え方・すすめ方
はじめての株式投資 日経文庫Personal
経営分析の基本
経営分析入門―ビジネス・ゼミナール
新版経営分析の基本がハッキリわかる本


※実践編


総資本経常利益率(ROA) || 自社株買いのROE改善と株主還元効果
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最終更新日 2016/05/31
公開日 2007/02/17




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